全体を通しての、不安定さがすばらしい。

Twitterで『絶望しかない』話が読みたいと呟いたところ教えて頂いたのですが、読み終わったあとのザワザワ感が最高でした。

『夢』といいながら、『現実』なのか『夢』なのか、目覚めるのか目覚めないのか、物語の世界観そのものが不安定であり、不確定で揺れている感じがあるのにも関わらず、それがこの物語を成立させています。

けれど、中盤には『現実』がきちんとある。そして、最後の最後、読み終わっても謎が残り、なんともスッキリしない。

ねじれているのです。

それに加え、『夢』と傍観している第三者の視点と、見せつけられた『現実』の感覚と、その落差がねじれをより歪にしていて、いいのです。

読みたいときに出会えて感謝です。
この後味の悪さを体感したかったのです。

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