黄色で溢れた幸せの国。人間関係の苦しみや悩みを抱くことのない、理想郷が描かれています。この世とは思えない光景に憧れを覚えますが、不気味な印象も持ってしまいます。名前を持たない「私」と、政府の仕事で出会った青年。二人の会話からも、幸福の基準とは何か考えさせられました。難しいテーマに臆することなく、たくさんの方に読んでほしいSFです。特筆すべき点は、KAC参加作品として書かれているところ。4000字以内の規定を守りつつ、黄色い国の世界観を書き切っているのです。奥行きのある物語に、書き手としても感動しました。
黄色い国は幸福な国、みんなが家族で親友で、みーんな同じでとっても幸せ!でもどうしてあなたは、私のこと電波って言って鬱陶しがるの? 他の国の人だから?それは、世界一幸福な黄色い国に住む女の子のお話。なにが正しい幸せなのか、はたまたそんなものはないのか、考えさせられる世界でした。どうか彼女が幸せになれますように。でも私は少しだけ黄色い国が羨ましいような気もしてしまいました。
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