私の21回目は、ずっと失われ続ける。

 真夜中のベッドの上。布団に潜り込んでも脳裡に響くブランコの音と映像。
 隣に寝ていたあなたは、そっと起きて換気扇の前で煙草を吸った。
 主人公は外出先で、揺れるブランコを目にした。
 20回目まで数えたら、帰ろうと決めて。
 しかし、どれだけ数えても、きっとブランコは揺れ続けているのだろう。

 主人公の揺れる心情と、ブランコの揺れが重なっていく。
 最低限の物で、最低限の描写。
 それなのに、読者の想像力を最高に掻き立てる。
 この作者様しか書けない一作だと思いました。

 是非、御一読下さい。

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