現代II 其の5

一気に、空気が重たい張り詰めた空気にかわり、威圧感と重圧感で、息苦しくなった。


そんな中、悪魔である女子は怯みもせず、


「何ですってー!私の魔術が、クソ魔術ですってーー!!しかも!低級な悪魔だなんて!!酷いわーー!」


「そうだ。…違うとでも思っているのか。」


蓮の別人格は、悪びれる風もなく、口元を少し緩ませながら言った。


女子は、悔しくて、じだんだを踏んでいる。


俺は、まだ魔術??らしきものが効いているので、声も出ないし、体も動かないでいる。


「おい、女、…お前に聞きたい事がある。」


「何よ!私が答えるとでも、思ってるの!!」


女子は、そう言って腕を大きく振ると、そこから空気が裂けたような風が巻き起こった。


風は、蓮に向かって行く。


蓮(別人格の蓮)は、微動だにせず、両腕を組んで突っ立っていて、その表情は、笑みを浮かべ、余裕そのもの。


蓮に向かって行った風は、蓮には、当たらず、スルーしたかの様に、通り抜けて行った。


(!!!)


「当たらないっっ!?」


女子は、また、何度も繰り返し空気を割いて見たが、蓮(蓮の別人格)には擦りもしなかった。


「な、なんでなのーー??」


女子が、たじろいでいるところに蓮(蓮の別人格)は、休む間も与えずに、女子に問う。


「なぜ、下級の悪魔が川原悠真の魂について、そこまで知っているのか?」


蓮は、女子に近づいて詰め寄る。


「どの悪魔から聞いたんだ?」


「それとも…。」


女子は、イケメンと蓮を言っていたように、雰囲気は全く変わってしまったが、美男子の蓮に詰め寄られて、さっきまでの、敵意が薄れてしまった。


「…わたしは、…同じ悪魔の仲間から聞いたのよ。」


「名前は、なんて言うんだ?」


「名前なんて聞いたって、…あなたなんかに、分からないわ!」


「…そうか。」


「あなた、わたしが魔術に掛けた時と…今…全く違うわ、…それに、今のあなたからは、わたしと同じ"悪魔"の匂いがする。」


「……。」


「黙っているって事は、図星?」


蓮(蓮の別人格)は、微かに微笑する。


次の瞬間。


「きゃああああ!!」


女子の悲鳴が響きわたった。


蓮(蓮の別人格)は、な、ななな、なんと、女子の首筋に、キスをしたのだ!!

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