現代 5
「 人間の分際で、勝負しろだと? 」
黒ブチ眼鏡の天使は、そう言うと、お腹を抱えて、笑い出した。
「 ハッハハハハーッ! 」
しばらく笑い続けると、真顔になり、
「 面白い。」
「 本当は、貴様を、生け捕りにして、天界に連れて行く予定だったのだが…。」
「 …仕方がない、多少身体が捥げていても、天は許してくれるだろう。…そうとなれば。」
「 貴様の申し出、受けて立とう。」
ヤツは杖を俺に向けて、宣言した。
ダメージを受けて、横たわる蓮を介抱しながら、俺は蓮に言う。
「 なんか、よくわからないけど、俺死んじゃうかもしれないけど、このまま、一方的にやられたままじゃ嫌だ。」
俺が、黒ブチ眼鏡に一矢報いる覚悟を、決意してヤツに向かおうと、蓮から離れた瞬間。
俺の手を、力強く握られ行けなくなった。
「 クックックック…。」
「 そーいう事だったのか…。予想していた通りだ…。クククッ…。」
「 !? 」
今までの蓮とは、違う何かが、蓮から現れる。
「 俺の獲物に手を出すとは、天界の小賢しいハエが、何様のつもりで物申しているんだ? 」
「 れ、蓮?? 」
今までの蓮とは、違う蓮の雰囲気に、異常な、何かを感じて、俺は、頰に冷や汗が伝った。
「 何ーーっ!! 」
黒ブチ眼鏡は、それに気づかず、逆上している。
「 さっきまで、貴様は私に抵抗すら出来ず、やられていたではないか!! 」
黒ブチ眼鏡は、杖を振りかざし、風を繰り出す。
竜巻のような、風が、蓮に襲いかかって来る。
蓮は、俺を後ろに突き飛ばし、襲いかかる風に向かって、手を振り下ろした。
風が真っ二つに割れ、蓮が繰り出した風が、黒ブチ眼鏡に襲いかかる。
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