現代 4

保健室の窓ガラスは、全て割れて吹き飛んでしまい、ガラスの破片が俺に掛からないように、翼を広げた蓮が俺の前に、立ちはだかっている。


保健室は、半壊し、破壊された保健室の外には蓮と、同じく、白い翼を持った天使が現れた。


「 お前は…。」


蓮が呟く。


どうやら、相手の天使は、蓮の顔見知りのようだった。


その天使は、黒ブチ眼鏡を指先で摘み、蓮の姿を頭から脚先まで、物色するかの様に眺め見ている。


「 ほう。これはこれは、珍しい! 」


「 こんな所で、かつての天使様に会えるとはな! 」


「 っっ! 」


蓮は、会いたくないヤツにでも、あったかのように、顔をしかめる。


「 今では、その、天使様も、天界を追われる、お尋ね者だが、こんな所( 人間界 )に隠れていたとは!」


次の刹那、相手の持っている、杖が大きく縦に振りかざされた。

その杖からは、勢い良く風が吹き出され、蓮めがけて襲って来る。


まるで、竜巻みたいな勢いの風が、蓮の身体を吹き飛ばす。


何度も何度も、ヤツは杖で風を操り、その度に竜巻のような、強い風に吹き飛ばされている蓮。

「 っっ…。」


なすすべのない蓮は、全身のあちこちを壁に打ち突けて、相当なダメージを受けている。


「 れ、蓮! 」


( 蓮には、ヤツと同じ力はないのか??これじゃあ、一方的な、嬲り殺しじゃないか!! )


俺は、蓮に駆け寄り、黒ブチ眼鏡の天使に言った。


「 俺と、勝負しろ! 」


「 何!? 」









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