現代II 其の2

高い青空がどこまでも、広がり、気持ち良い風が、屋上のお昼ののどかな時間を感じさせる。


そんな中、俺は、蓮に半ば強引に連れられて、女子達からは、また、あらぬ噂をたてられながら、屋上にやって来た。


「ほら。悠真、お前の大好物の唐揚げだ。」


蓮は、お弁当箱を開けて、唐揚げをつまようじに刺して取り出し、俺の口に突っ込んだ!


「ふがっっ!!!」



俺の通う高校は、大きな食堂があり、ほとんどの生徒や先生達が利用していて、お弁当派は少ない。


「ふがががががっっ!!」


(どーしたんだよ、このお弁当?!)


「ん?この弁当のことなのか??」


「ふごごご、ががが、ふが、ぶがっがががっがっがー」


(そーだよ、今まで、持って来たことなんて、なかったじゃないかー!)


「ふごっ!ふががっ!」


(まさか!女子!)


「…実は、はじめて俺が作ったんだが…。」



「!!!」


(初めてーー!!?)


華やかで豪勢に作られた洋風のお弁当に、俺が驚いて、唐揚げを喉に詰まらせかけると、俺の様子を見ていた蓮は、慌てて、俺の背中を軽く叩きだした。


蓮のお陰で、唐揚げが喉元を通り、ようやく、胃に収まると、蓮は、頃合いを見てペットボトルのお茶をくれた。


「 大丈夫か!?」


「うん。なんとか…。」


ホット、一息ついて、蓮をみると蓮は優雅に微笑んでいた。


微笑んだ蓮は、美少年といよりか、美青年という大人な魅力のオーラを放っている。


(あ、今、俺マジで、蓮に見惚れているな。ヤバイ!女子達の気持ちがわかるかも!

俺、友達の立場で、こんなに最高に良い男を独占しているんだな。

お弁当作ってくる女子も今は数少ないのに、お弁当作って、持ってきてくるとは!!なんて!女子力高いんだー!蓮ー!

また、女子を敵にまわすぜー!)


蓮は、お弁当に入っている、スパゲティをお箸を使って上品に食べている。


「ほんと!マジでこれ、蓮の手作りなのか!?この唐揚げ超ーうまいぜ!!もう一個くれよ!」


蓮の作った唐揚げをまた、ひとつ貰って美味しく頬張りながら、俺は学校の売店で買ってきた、おにぎりと、菓子パンと、カフェオレを広げて、食べ始めた。


「そういえばさ、蓮。この間、黒縁めがねの天使が来た日、俺に、天使だとか言っていたけど、一体どーいう事なのか、さっぱりわからないんだよなー。」


蓮は、お弁当に箸を置き、何かを思いながら、俺を見つめた。


「そうだな。非現実にも程がある…が、俺が天使だった事は、言うまでもなく事実だ。でも、今は、地上界を彷徨う堕天使。…俺のように地に落ちた天使は、天上界には二度と戻れないんだ。」


「…??…ん。」


「そして、悠真お前は、天上界にいる天使の消えた魂の持ち主なんだ。第六階級エクスシアの。」


「え、えええ、えー!??」


一体どういう事か、理解したくても、知識が、全く無くて、全く理解出来ないで固まっていると。

屋上に人影が現れた。




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