概要
「感情アプリ」がスマホにインストールされている世界で。
感情なんて非効率的だ。
人類がそう気がついてから、それなりの時間が経った。いまでは、感情を身体から切り離してアプリ化しておくのは当たり前のことだ。
アプリを起動すれば対応した感情が自分のなかに発生してくれる。電流のように。
感情は非効率だけれど、行動に必要なものでもあるから。正の感情も、負の感情も、自分のなかに起動したときの気持ち悪さを我慢してでも、利用する価値があるのだ。
――そんな世界で、私は今日、彼と待ち合わせをしていた。
人類がそう気がついてから、それなりの時間が経った。いまでは、感情を身体から切り離してアプリ化しておくのは当たり前のことだ。
アプリを起動すれば対応した感情が自分のなかに発生してくれる。電流のように。
感情は非効率だけれど、行動に必要なものでもあるから。正の感情も、負の感情も、自分のなかに起動したときの気持ち悪さを我慢してでも、利用する価値があるのだ。
――そんな世界で、私は今日、彼と待ち合わせをしていた。