自分の中にあるのに、自分ではどうしようもない何か。時には抑えたいのに抑えられない何か。管理できたらどんなにか楽だろう。けれど管理できたら、どんなにか不自由だろう。不思議な感覚とともに、そう思わせる考えさせられる作品です。
感情の発露を外部に委託する。一見合理的だがやはりそれはどこかで破綻する。けれどもこの作品は鋭い所を持っています。良い作品です。
『感情』の『外部&ツール化』ありそうでない設定は『感情』について考え直す良い機会になった僕は『感情』が昂ぶらないと物語を書けない人間だからキャラクター同士が『感情』に対する意見の違いをぶつけ合う禅問答みたいな時間を心地良く感じたそして思わずため息僕はどうやって『感情』と付き合っていこうかとでも、こういう感覚は嫌いじゃ無い世界観も含めて非常に僕の『感情』を良い意味でざわつかせてくれた良き物語でした
人々は効率化を求めて、体から感情を切り離し、必要な時に取り出せるようにアプリにしました。感情をそのまま持つものは危険とされ、街にはいられない、そんな世界のお話。とても好きな世界の匂いがしました。世界の描き方が美しくて、私たちから見た時のその恐ろしさも際立ちます。感情をテーマにした素晴らしい短編、美しいものを読みたい方必見です。