短篇なのに壮大なSF叙事詩になっているところが凄い

 文明が滅びかけている終末世界。スマホのナビを頼りに旅をする少年の物語です。知能のないスマートフォン。でも、その受け答えは孤独を癒し、彼の旅路を支えます。
 ですが、目的の地で、その大事な相棒と別れを告げることになる少年。どんなものにも終わりの時がくるのです。
 悲しい別れ、そして新たなる出会い。さらに、どこまでも続く長い道のり。

 スマホの機種変というアイディアが、なんか壮大な物語になってしまっています。果たして人類はこのまま滅びてしまうのか。はたまた強大な敵に対して、目の覚めるような逆転の一手があるのか? そして、その鍵を握るのは、旧式のスマホ。

 短編なんですが、20万文字くらいの長編SFを読破したような気分にさせてくれます。
 とりあえず、「彼らの旅は、まだはじまったばかりだ!」と言っておこう。

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