最初は身構えてましたが、読めば読むほどほっこりと、なるほどなって感じていきます。舞台が田舎だからこそこの話には奥深さというものがありますし、情景の想像もしやすい。ぜひご一読してもらいたい作品です!!
最初はほのぼのとした日常から始まります。どことなく昭和の風景のような趣があり、和やかに感じるのですが、そこからぞくっと……そして……続きはご自身の目で!
ネタ的にはあるあるですが安心して読めると言いますか、ほっこりですね。私の家でも無人のはずなのに例の場所から!?ってなったのでビビりましたが、飼い猫様の仕業でした。
東京で暮らしていた主人公は、大分の田舎にある実家に帰省する。疫病の影響で、久しぶりの帰郷だった。まさに、浦島太郎の気分で、地方のテレビを見る。 両親は仕事に出ているが、家には祖母がいるはずだ。しかし暑い中探し回っても祖母の姿がない。 そこに、不意にトイレの流す音が聞こえた。祖母がいたことに安堵し、麦茶を勧めると返事があった。しかし、その返事は――。 さらに、テレビのチャンネルがいつの間にか変わっていた。 次々に起きる不気味な出来事だが、怖いと言うよりほっこりしました。 是非、御一読下さい。
主人公が田舎の古民家に帰省してくつろぐ様子が、こちらも実家へ帰ったかのような気持ちになりました。 途中の少し不穏な場面でヒヤリとしますが、最後まで読めば納得のいくものです。 怖い話が平気で故郷の懐かしさを感じてみたい方は、ぜひ読んで見てください。
読了した瞬間に、「そうきたか」と思わせる作品でした。冒頭の不穏な雰囲気からの……という展開、お見事です。イメージとしては梨木香歩さんの『家守綺譚』のような、「日常のすぐそばに怪や霊がいる」タイプの作品に近しいものを感じます。本質的に、ホラーは人をびびらせてなんぼみたいなところがあるんですが、こういった細やかな不思議さ、そっと背筋を撫でる風が醸し出す寒気のような怖さを感じさせる作品は日本ならではだなぁとしみじみ思います。とてもいい世界観があって、短編とは思えない満足感がある作品でした。ありがとうございます。
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