「恋愛」という名の多面体。

スリムな文章でありながら、単純なおどろおどろしさに終始しない良作。

愛は誰もが知る概念でありながら、知覚のされ方は人それぞれ。特定の他我を大切にし慈しむ気持ちであると同時に、それを独占し思うままに成型したいという執着でもあるわけで。

描かれる超常現象そのものではなく、それをきっかけに発露する登場人物達の情動こそが本作のホラー要素であり(注:個人の見解です)、そういった「仕掛け」というか「ずらし」というか…ストーリーのあり方がとても好きです。