信頼できる情報を見極めつつ、日本古代史を学ぶ。

 皆さんは、ご自身が読んでいらっしゃる書籍、特に歴史や科学といった学術書的なものについて、それらの内容をどれくらい「正しい(正確である)」と思って読んでいるでしょうか。

 この疑問について、作者さんは当エッセイに答えを用意して下さっています。そのためこれお読みになったら、きっと選ぶ書籍も変わってくるのではないかと思います。特に史実や専門的な内容を利用・反映して小説を書いていらっしゃる方であれば、参考にできる点が多々あることでしょう。

 もちろん小説は虚構でもいいわけですから、どこまで「本当(真実)」で、どこからが「嘘(もしくは作者による創造的産物)」なのかは作り手に委ねられるとは思います。しかし、書き手がきちんとした知識を持って書いたものは、読み手にとってもよい影響を与えてくれるように思います。

 また、読んでみて分かると思いますが、内容も面白いです。
 日本の古代史について扱っていますが、日本独自の資料だけでなく、中国などほかの国の歴史的資料と比較しながら書き記している部分もあり、作者さんの熱意が伝わってきます。
 取り扱っている内容が難しいので、歴史が苦手な方にはちょっとハードルが高いかもしれませんが、作者さんなりに咀嚼して分かり易く解説しています。そのため、読者の方には少し気合を入れて読んでいただければ、きっとこのエッセイの面白さを見いだせると思います。

 また、史実に基づいた歴史小説などを書こうと思っていらっしゃる方は特に、参考に出来る部分があるかと思います。もちろん、日本古代の歴史について学びたい方にもよい内容でしょう。

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