カクヨムで一人でも多くの人に読んでもらいたい長編傑作!

私がこの作品に出会ったのは、他の作者さん達のレビューがきっかけだった。「埋もれている名作」「とんでもない傑作」まさにその通り。

中心人物は語り手である翔太と、常に物語を引っ張っていく湊、そして名バイプレーヤーの立花。この3人を軸に、重なる出会いと別れが物語を紡いでいく。

常に世界の崖っぷちで闘う彼ら。何と闘うのか?この理不尽な社会と、その裏で蠢く巨大な悪と。彼らは愛する者のために命を賭けた勝負師だ。何があっても絶対諦めない。大切な者を守る限り、迷いもぶれもない。その姿はあまりにまっすぐで時に痛々しい。

読者はいつの間にか、彼らの世界から目が離せなくなり、そして、この物語の行き着く先に心を馳せる。作者様の一つ一つの言葉が心に沁みて、読み進めながらどれだけ多くの勇気と励ましを受け取ったことか。

地獄に咲く花。
キャッチフレーズのように何度も現れる、この言葉。
ぜひ、一人でも多くの方にこの花が最後にどう咲き誇ったのか、見届けて頂きたいと願っている。

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