最高にハッタリの効いた痛快活劇。早く続きを読ませろ!

現時点(2022/6/10)でほとんどPVが付いていないことが不思議、かつ、残念でならない上質なアクション娯楽小説です。

「どっちが勝つんだ?いや、こっちに勝って欲しい」などと胸躍らせながら、綿密かつダイナミックな描写に無心で目を走らせてしまう。
漫画やアニメや小説でそんな経験をしたことはありませんか?
この作品は、そんな少年の頃の気持ちを追体験させてくれる、きっぷのいいエンタメ作品であると保証します。

作品を評するのに、類似作を挙げるのは非礼かもしれませんが、レビューですので、お客を呼び込むつもりで例を出すと、山田風太郎の「忍法帖」シリーズや、グラップラー刃牙、ホーリーランド、あるいはもっとザックバランに言って「少年ジャンプ」のバトル漫画のような、そのあたりが好きな人であれば、まず間違いなく楽しめることでしょう。

とかく人間離れした力や、卓越した技同士がぶつかり合うのですが、漫画やアニメのような映像媒体でなく、文字だけでそれを成立させている筆力に、まず驚かされます。
そして、やはり言及すべきは、主人公を始めとする登場人物の荒唐無稽な技の数々に説得力を持たせる「ハッタリ」。それこそがこの作品の醍醐味です。
そんな人間いねーよ、と表面上はツッコミつつも、心の奥底ではもしかしたらこの世のどこかに、想像を絶する修行を重ねた結果、このような怪物じみた戦闘力を持った人間がいるのではないか?などという錯覚を感じさせてくれるロマン増し増し設定。
この手の作品には必要不可欠なそれがしっかり備わっていることが、自分がこの作品を自信を持ってお薦めする理由です。

8~90年代の漫画やアニメで育った人間なら絶対刺さるのになあ、今時の子は魁男塾とか読まないのかなあ、でも今時の子にもこの面白さは通じて欲しいなあ、などと祈念しつつ……先生、次のバトルをお待ちしてます(笑)

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