これまでも、これからも、携えておきたい「人生の歩き方」

「他人の理は己を包む霧」
とある作品のこんな一言は、長らく私の規範でした。
好意的に解釈すれば、全て自責で生きる。
悪く言ってしまえば、唯我独尊。

誰かにいただいた言葉も、その時は霧と思い込み、自分の視界を妨げるものだと忌避してきました。

結果として、それほど悪くない、満足できる生き方をしてきた自負もありますが、それは結果論であって、道程のあちこちでいろいろな人に助けられていたことに気付きます。
きっと多くの金言が手のひらから零れ落ちていたのかと、自らの不実を嘆くばかりです。


本作は、現代に生きる我々に対し普遍的な「気付き」を与えてくれます。
「教え」や「助言」とも言えるかもしれませんが、その示唆を自分のものにできるか否かは、自らの「気付き」以外はありません。
もちろん、本作の全てが万人にとって有益であるか、読むことに費やした時間の対価になるかは分かりません。

ただ思うのです。

その時には分からない言葉も、おせっかいに聞こえる声も、今だからこそ理解でき、ここに辿り着いたからこそ沁みる助言であったと。

悩める人も、常勝街道まっしぐらの人も、いつかどこかで、そして何度でも頼りになる「人生の歩き方」

私にとっても本作はそんな「一冊」になりました。

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