第7話 温泉旅行、お泊まりフレンドデート

そして、連絡を取り合い都合を合わせ私達は、お泊まりフレンドデートを決行した。


1泊2日。


金、土、日を利用し向かう。



土曜日の朝から昼頃には着くように調整をし私達は出て来た。



一日目の夜 ――――



「布団…近いんですけど…」と、私。


「俺達カップルにでも見えるのかな?だったら一つにしてもらっても良いんだけど」


「えっ!?」


「嘘だよ」



クスクス笑う優綺。





大人だったり


子供だったり


コロコロ変わる優綺は反則だ


冗談言ってからかう優綺が憎めない




私達は布団に入り寝床につく。


だけど私は意識して眠れない。


私は起きてぼんやりと窓の外を眺めていた。




「歌音?眠れないの?」

「…優綺…うん…。何か意識しちゃって……」

「だったらヤる?」



ドキッ


「えっ!?」


「そうすればすぐに眠りに入れるよ」

「…優……綺……」

「なんて嘘だよ。俺はそんなつもりないから」



そう言うと、寝床に、行き始める。



「優綺……」

「何?」



私はキスをした。



「……ごめん…」



私はそう言うと背を向ける。



「………………」



スルッ


私の体から足元に何かが落ちる。



≪えっ!?≫

≪ユ、浴衣が……どうし……≫



「一回してみたくて♪女の人の浴衣が落ちる瞬間と、その瞬間を見てみたいなって…」


「優綺っ!」


「セクシー♪」


「もうバカっ!」



そう言う私にキスをし深いキスをされた。



「ごめんごめん」



私は浴衣を拾うと羽織り始めるが、手を止めた。



「歌音?」

「抱く?」

「えっ!?」



私は優綺に抱きついた。



「歌音…君はどうしてこういう行動とるかなぁ~」


「…ごめん…これじゃ都合の良い女だし、軽い女だよね…」


「…歌音…」




私は抱きついた体を離し優綺に背を向けると浴衣を羽織り始める。



「歌音」

「何?」



背後から抱きしめられ再び浴衣が足元に落ちる。



ドキン



「ゆ、優…」



キスをされた。



「優綺…?」



唇が離れたかと思うと再び唇を塞がれ深いキスを何度も繰り返される。



「抱いて良い?」



ドキン



「えっ?ま、待って…だって」




ドサッ



倒れる私達。


優綺は股がると再びキスをし、首スジから下へ下へと唇が這う。




「歌音が誘うから。だけど……意地悪した俺もいけないんだけど…」


「…優綺…」


「嫌いになったりしないから俺に身を委ねな。歌音…」


「…優綺…どうして…?」

「えっ?」


「優綺が…優しくするから甘えちゃうじゃん……私……。駄目なら駄目って叱ってよ…」


「今は叱る気にならない。今、ここで叱ったりしたらムードぶち壊しだし。する事だけに集中しな。つーか…何も考えなくて良いようにしてやった方が良いのかな?」


「…優…」



キスをされ、深いキスをされた。



「誰も知り合いのいない二人きりの夜だから、また違う忘れられない夜にしてやろうかな?その後、説教してやるよ。今は集中して俺に抱かれてなさい」




ドキン





二度目の関係


優綺とする度に


私の心と体は


優綺に夢中になっていく



だけど……



これだけの関係



ねえ優綺……


私の事一人の女として


見てくれる事ある?



私は……


優綺以外と関係持ったら


自分を見失いそうだよ……





旅行の車内の中。


「歌音」

「何?」

「お前…今のままで良いのか?」

「えっ!?」

「まあ、俺も悪ふざけして……誘惑に負けて体の関係になったけど…」



「あー…うん……やっぱり都合の良い女とか?誰でも良い訳じゃないけど…簡単に自分預けちゃって良いものじゃないなって分かってるけど……」



「………………」



「だけど優綺には関係ない事だし…私の人生だし……後悔するの自分なわけだし」


「歌音…」


「ごめんね…優綺…ありがとう心配して…く…」



車を脇に止めキスをされた。




「じゃあ、俺と約束守ってくれないか?」




優綺は、いつになく優しい眼差しで見つめる。




ドキン


胸が高鳴る中、私の胸がざわつく。



「彼氏が出来たら、それはそれで相手と関係持つのは構わない。でも…同情とか誘惑で他の男と簡単に体を預けて寝たりするのは辞めろ」



「…優…綺…」


「お前の人生かもしれないけど…俺の言う事聞けない訳じゃないはずだけど?俺は、お前の事を都合の良い女とか軽い女とか、ヤらせるだけの女とか、そういう目で見ないし、これからも見ようとは思わない」



私は優綺の言葉が嬉しかった。



「でも…もし今日みたいに何かのきっかけで出掛ける事になってお互いが求める事があった時、その時は、それに答えてやるから」



泣きそうになった。



「矛盾してるかもしれないけど……SF かもしれないけど……でも…お前が彼氏以外や俺以外の男(やつ)と寝るのだけは辞めて欲しいんだ」



「…優綺…」



私は下にうつむいた。



「誰でも良いとか援交みたいなのってして欲しくないし。特別な感情がないから気が引けるけど…正直、お前の事が心配だから…」



「……………」



「男はヤらせるだけの女とか見る奴いるから。好きでもない女を平気で抱ける。ヤるだけやったらサヨナラもあるし下手すれば妊娠だってなりかねない。分かるよな」



私は頷いた。



「歌音…顔あげて」



私はすぐにあげれなかった。


すると私の両頬を優綺は優しく包み込むように触れ、顔をあげさせた。



「俺との約束守ってくれる?」



私は頷く。



優綺はキスをし、深いキスをした。



「約束のキス。キスマークもつけてあげようか?」


「えっ?キスマークぅっ!?」



そういう私に洋服をずらすと首スジよりも下辺りにバレないようにキスをするとピリッと痛みが走る。



「キスマーク消えたからって約束破ったら駄目だからな」


「破らないよ!守るに決まって……」




キスされた。




「信じてるから」

「うん…」





こんな関係も複雑で微妙だけど


でも


こんな優綺の優しさや対応に


つい甘えたくなる



私も好きとか特別な感情はないけど


だけど


本当は付き合った方が


お互いの為に良いのかもしれない


でも私達はまだ付き合う段階じゃないから


いつか必ず


お互いが必要になる時が来るまで……









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