彼女らの日常は悲しいかな、どこまでもリアルで、私が読んでいるこの瞬間、多かれ少なかれ似通った境遇と心情とを抱いて過ごしている人が存在する。そう思うとより一層、読者は深く読み進め、没入してゆく。唯一無二の話し相手。一方で世間との繋がりは極めて虚ろ。的確なタイトルに読後ハッとさせられ、ビターでスイートなタルトに込められたダークな、とても濃い思いが印象に残り続ける。
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