「不親切」や「わかりにくさ」の中にも、物語の魅力は創造しうる!

話の構造といい、リアルティのある細やかな情景描写のもと語られる恋愛模様の行く末といい、それは全て霧の中とばかりに、読者をぽんと突き飛ばすようなある意味まったくもって「読み手に親切でない」作品です。
だけど、そのスタイルから、わたしは大きな感銘を与えられました。本来、ものがたり=「物」を「語る」とは、文字通りその話のなかでの事象の、最低限の描写が求められるものでしょう。ですが、その「最低限」のラインをこの作品はきちんと計りつつ、きちんと話を展開させて見せているのが、非常に巧みとしかいいようがないです。大変刺激を受けました。お勧めです!

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