疾駆する思弁

アンドロイドと人間、という普遍的なテーマ。日の光も届かない地下電脳都市という魅力的なシチュエーションから繰り出されるハイスピードのサスペンス・アクションSF。 SFとはScience Fictionの略でもあるし、Speculative Fictionでもある。
人とは何か。アンドロイドとの境界とは。それを問うのは迂遠な説明ではなく簡潔な思弁。人の本質を科学は定義できず、また人も理解できないのであれば人は人たると立証する行為に意味はあるのか。自らの存在に疑問を持たない人は人と呼べるのか。果てしない問いに対して提示される答えはあまりに短くそして美しい。

短編だからこそ光る思弁の疾走感をあなたに。