覆面の代償

本当に怖いモノは超常的な怪異などではなく、人間である—そう言った普遍的ホラー構造の系統に立ちながら、新鮮な謎と恐怖を与えてくれる。
日常にこそ鮮烈なミステリとホラーは生まれうるのだ。
ああ、覆われた我らの顔よ。隠すことは防備であるが、同時に脆弱性をもたらすものだ。秘密が故の油断、秘密が故の悲劇。私はふと鏡を見るのだった。