概要
空はどこまでも蒼い。
病床に臥せり、窓に遮られた空に憧れる少年と、空を飛び、その事に恐怖を覚え始めた少年の、互いを「彼」と呼び、互いに名も知らない二人は、手紙のやり取りを重ねることで関係を育んでく。しかし、病の少年を外から守り、世話をする「母」は、「あの子」が死と飛行機械の少年によって自分の手から離れることを恐れ、忌避していた。そこへ、嵐が訪れる……
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!窓に隔てられたふたりの少年のお話
空に恋焦がれる病弱な少年と、空を舞うことに恐れを覚え始めた少年の、交流と友情の物語。
異世界ファンタジーです。完全なハイファンタジーというよりは、現実の歴史がどこかで枝分かれしたかのような世界。現実のそれと共通の神話を持ちながら、異なる科学技術や物理法則によって発展していった、だいたい近世か近代くらいのどこかの国、という印象で読みました。
もっとも、この辺はそんなに重要ではないというか、作品の要素としてもそこまで前面に出ているわけではないのですけれど。でも個人的に好きです。機構・機械の存在するファンタジーというか、ファンタジー世界に適合的な機構や機械の存在のような。本作では個人用の飛行…続きを読む