最後の一文で一気に突き落としてきます

「ストーリーは手短に済ましてほしい派」の僕としては、4章や5章の再婚のくだりは省いても良かったんじゃないかな？　と思いました。だってこの話、「未名ちゃんはどれだけ愛犬デベンが大好きだったか」が伝われば十分なので。しかし、厚みのあるキャラクターやリアリティのある空気はたくさん書き込んでいたから生み出せたのも事実です。
　ある人にも意見を聞きましたが「この話の肝はラストだから、文字数が多いと最後まで読ませる力量が試される」とのこと。ストーリーの長さより面白さが重要だそうです。また「どんよりしているけど陰惨さは薄めで、古風で落ち着いた文章のおかげで読みやすかった」とも言っていたので、ここに残します。

　結局のところ最後に出てきたソレはなんだったのでしょう？　想像を膨らませていた際に「そもそも勘の鋭い未名ちゃんはデベンが犬に見えていたのか？」という予想が立ちましたが……さすがに妄想を働かせすぎでしょう。