小さなしみが広がる感覚。

情景の描かれ方が非常に美しい。
子ども視点の場は子どもに帰り、大人視点のときは大人の自分に戻るという感覚を読者に持たせるのは、ひとえに作者の文章力と構成力の賜物。
ノスタルジックでありつつ、ぽつんとあった小さな血の染みが広がってくるような読後感。