概要
鶴はあなたの優しさが忘れられずに、おとぎ話から抜け出して来ました。
帯谷潤(おびや じゅん)は生まれて直ぐに父親を亡くし、母親一人の手で育てられた。母は毎日近くのスーパーに仕事に出るため、潤は隣の博多織職人の仕事場に預けられた。潤が地元の高校に通っている時に瀕死の状態の鶴に出会う。生死をさまよう鶴を看病した甲斐があり、二ヶ月後に鶴は全快する。潤は自分と一緒に過ごすよりも、自然に戻す方が鶴にとっては幸せだと思い、鶴を見つけた田んぼに放す。鶴は雪の中を北の空へと飛び立っていった。それから一週間後に転校生が引っ越してくる。彼女の瞳を見た瞬間、潤は以前どこかで出会ったような優しさを感じた。織作鶴(おりさく つる)は潤にもう一度逢う為に、おとぎ話から抜け出してきたのだった。