概要
人の欲と、怪奇が渦巻く世界。一人旅する流浪の冒険者! 信じるは腕一つ。
つむじ風のアッシ。
一箇所の町に根を下ろさず、町から町へと渡る冒険者。
擦り切れたマントの下は風雨に晒され、土に汚れて黒くささくれた皮鎧。
何度も継ぎ接ぎを重ねた革の長靴も泥水を吸っては吐いてを繰り返す。
ただ、腰に吊るした短剣だけは、その柄飾りも見事な業物を備えており、こればかりがアッシの財産であろうと思われた。
流れ者の冒険者が生業とするのは、根を張った連中が嫌う泥仕事。すなわち、悪所の掃除に、狩っては増える小鬼退治、そして市内の勢力争いの鉄砲玉と相場が決まっていた。
アッシがなぜ、そのような臭い仕事で口に糊する境遇に至ったかは誰にも分からない。だが、その剣の煌き一つ、己一つに身を任せ、町から町へと流れていく。
その姿はまるで一陣のつむじ風。
故に人は彼をつむじ風のアッシと呼んだ……。
一箇所の町に根を下ろさず、町から町へと渡る冒険者。
擦り切れたマントの下は風雨に晒され、土に汚れて黒くささくれた皮鎧。
何度も継ぎ接ぎを重ねた革の長靴も泥水を吸っては吐いてを繰り返す。
ただ、腰に吊るした短剣だけは、その柄飾りも見事な業物を備えており、こればかりがアッシの財産であろうと思われた。
流れ者の冒険者が生業とするのは、根を張った連中が嫌う泥仕事。すなわち、悪所の掃除に、狩っては増える小鬼退治、そして市内の勢力争いの鉄砲玉と相場が決まっていた。
アッシがなぜ、そのような臭い仕事で口に糊する境遇に至ったかは誰にも分からない。だが、その剣の煌き一つ、己一つに身を任せ、町から町へと流れていく。
その姿はまるで一陣のつむじ風。
故に人は彼をつむじ風のアッシと呼んだ……。
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