(2022/7/18執筆)
仕事が苦手な勇者協会の新人エステルは、他のパーティーではクセがありすぎて扱えない人物を集めたパーティー、〈ゼータ〉のリーダーとなってしまう。
当然、クセだらけの〈ゼータ〉のメンバーはそう簡単に心を開いてくれないが、エステルの根気強く接することにより、徐々に心を開いていき、エステルを中心に〈ゼータ〉がパーティーとして成り立っていく様子が素晴らしい。
〈ゼータ〉のメンバーはクセが強いものの、個人としての能力はかなりのもので、次々と強力な敵を打ち倒していくのは見所である。
そしてエステルの功績はこれだけではない。〈ゼータ〉とは異なるパーティーにおいてもメンバー間の関係性を良くしたり、最果ての荒れた街でも八面六臂の活躍をする。エステルって一体何者……!?
本作は麻薬級の中毒性があります。常に最新話まで読み進めている私ですが、次のお話が読みたくて1日すら待てなくなりました。
タイトルから忌避される方もいるかもしれませんが、とにかく第1章を読んでみてください。なに、1章は全4話しかありませんから。さくっと読めます。でも、そのサクサクっぷりが本作の武器のひとつなのです。
お手軽なのにしっかりと内容があって、すぐに次が読みたくなってしまうことでしょう。現にこの中毒症状は沢山の読者さんから報告されています。2話くらい読もうかな〜と思ったら10話読んでました、いつのまに!?(呆然)
次に紹介したいのがキャラクター。この作品本当に凄くて、第一部では1章ごとに、パーティのメンバーたち1人1人にスポットライトがあてられるのですが、おかげさまで第一部が終わる頃には全員の虜になっているんですよ、いつのまに!?(愕然)
ちなみに私は推しが1人に絞れないです、本当に全員いいんですよこれが。マジで皆さんと推し語りしたいんで、ぜひ皆様第1章だけでも読んでみてください。気づいたら最新話まで読んでますから、いつのまに!?(唖然)
一部終わりまで読破しました。
この作品は非常に読みやすい文体のなかで個性豊かな(ありがちな設定に留まらない)キャラクターたちが縦横無尽に活躍します。
また、作者の技量が高いため、各章ごとに物語の焦点がしっかりと絞られており、かつ章横断的に伏線が張られているために、この決して単純ではない複層的な物語の真髄を無理なく読者に読ませ、伝えることができています。「キャラ萌えしてギャグに笑っていたと思ったら話もすんなり理解できていた!! 何のことだか(ry」というやつです。
加えて、主人公の能力自体をここまで抑えて上手く話を回すのはとてもすごいことだと思います。こういった設定に妥協しない挑戦的な話は私は好きです。
ところで、私はロゼール党員に所属することになったのですが、男性ならレオニードさんのノリが好きです。各魅力的なキャラクター見せやパーティー結成が完了したところまでで第一部が終わったので、ここからどう物語が発展し、終わるのか、その旅路をひっそりと見守らせて頂こうと思います。
この作品を一言で評するなら、上記レビュータイトルの通りです。
別の言い方をするなら、『読者の求めているものがそこにある』でしょうか。
まず、分かりやすさ・読みやすさ。
この作品は、文体も構成も、非常に明快に書かれております。「読みにくくて辛い」なんてことは一切起こらず、ストレスなく物語を楽しめるでしょう。
第二に、キャラクター性。
登場人物が多い本作ですが、それぞれかなりキャラが立っており、魅力に溢れております。恐らくどなたでも推しキャラを作ることが出来るでしょう。また、個々のキャラクター性だけでなく、キャラクター同士の関係もうまく描かれており、1+1を100にするような、そんな読み応えがあります。
そして何より、この点についても上述の『分かりやすさ』が発揮されております。「キャラクターが多くてごちゃごちゃしてる!」なんてことは全くなく、むしろたくさんのキャラクターの個性が、この作品を魅力的に仕上げています。
最後に、王道と意外性。この2つの使い分けが抜群に上手いです。
作品を読んでいると、「多分こういうキャラクターなんだろうな」「こういう展開なんだろうな」と思うことはあるかと思われます。いわゆる、定番・王道と言われるものですね。これがあることで、読者はある程度次の展開を予想することが出来ます。再三言いますが、『分かりやすさ』に繋がるものです。この作品にも、そのような要素は見られます。
ただ、この作品はそこで終わらせません。読者が『ある程度』予想していた王道を、上手い具合に裏切ります。この意外性が良いスパイスとなって、キャラクター、そして物語を彩ります。『分かりやすさ』のための王道、『面白さ』のための意外性、この二つの使い分けがべらぼうに上手いです。
総評すると、読者のための『分かりやすさ』、『面白さ』があり、そして魅力的なたくさんのキャラクターがいる、というところでしょうか。気軽に読める上に読み応えのある作品なので、皆様もぜひ読みましょう。
あぁ、面白い。
それがこの作品を読んだ後の感想として、一番しっくりきた。
この世界では、各々の勇者達がパーティーを組んでクエストや依頼をクリアしていく。
しかし勇者と言っても、その全てが聖人のような行いや経歴を持っている訳ではない。
――いわゆる「はみ出し者」
それをまとめて規格外のパーティーを率いる事となった少女。それがこの物語の主人公だ。
軽快な一人称視点で語られる物語は、一話一話がほどよいリズムで繋がれている。
段々と曲者達と打ち解けていく様は、読み進めていく上で非常に心地が良い。
くすっと笑える場面、くどくない戦闘描写、どれも中々に作者のセンスの高さが伺える。
最後になるが、改めて言う事にしよう。
この作品は面白い。
フォローいただいたご縁でこの物語に出会いました。更新分まで読み終えましたので、レビューさせていただきます。
本作は実力は折り紙付きだが色々と問題のある人物達を、落ちこぼれの主人公の少女が必死にまとめようとしていく物語です。
彼女が彼らにぶつかり、そして人と人としてやり取りをしています。そのやり取りが丁寧なので、あっさり仲良くなるのではなく、互いに少しずつ歩み寄る様子が良く解ります。
まあ一癖も二癖もある彼らなので、一筋縄ではいかず、かなり時間もかかるかもしれません。だからこそ、今後の物語でどう関わっていくのか。彼らの関係性がどう進んでいくのかという楽しみを持って、読んでいくことができました。
まだ序盤であるこの物語ですが、続きを楽しみにしております。
他の皆さまも是非読んでみてください。
2021年1月8日時点の最新話までを読んでの感想となります。
面白かったです。とても。
作品は戦闘能力なしの事務系少女の一人称で描かれています。
私は、いわゆる俺ツェー系の一人称を好みません。
主人公が、俺が俺がと主張し過ぎてうるさくて気に障るからです。
しかしながら、この作品はいわゆる〝普通〟の少女の視点を通して、個性が強い最凶パーティーのメンバーや戦闘シーンを描いているので、一人称のメリットである少女の繊細な心理描写を描きながら、まるで三人称のように少女が外部の語り手として、物語を語ることに成功しています。
もし、最凶パーティーのうちの一人が主人公で語り手であったのならば、このような心地良い読後感は得られないでしょう。
また、語り手である少女は、家族の「とある事情」を抱えており、家族との思い出の台詞を引用した少女の台詞には胸が熱くなりました。
ついつい応援したくなる主人公です。
まだ物語としては序盤で、これからパーティーとしての絆を強めていくといったところですが、今後彼らがどのような絆を結び、世界を救っていくのか、ぜひ応援していきたいと思います。