すごく性格が悪くて好きです。

読みながら何度も笑いました。この小説に書いてあることと同じことをわたしも何度も思ったことがあるからです。

作家の肥大した自己愛、鬱陶しい。
よくわからない突然の自分語り、興味ない。

創作者は自分、あるいは小説について語れば語るほどなぜか意固地になり、評価されない自分が悪いんじゃないという他責的な想いに囚われドツボにハマるような印象があります。自分は何も間違っていない。ただただ自分を評価しない世間が悪いと呪いにも似た感情を抱き、自分が、自分の小説が、さも高尚な存在であるかのように思い込み単なる実力不足から目を背け、一見軽薄に見えるエンタメやライトノベルを貶したくなる人はそれなりに多いのではないでしょうか。わたし自身ももしかしたら、そういう時期があったかも。

でもこの小説を読み終えるとそんな創作者だって別に、それだけじゃないよねということもよく分かります。彼らの呪いの裏にもちゃんと、大切な願いがあるのだから。

いいもの読ませていただきました。

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