猫の手も借りたい!

この物語、タイトルからは、その真髄にたどり着けない。
端的に表現すれば、人型機動兵装(ロボ)を相棒にして戦う少女の、とある世界での世界大戦記と、目新しさを特に感じる要素は無いのですが、そのロボ「リベルギント」には魂が宿り、数多の猫を使役するとなると、おっ?となる。
さらに、剣戟、戦術と戦略、史実としても遜色ない世界観、そして魅力的な登場人物たち。
何より言葉、文字の使い方が特徴的で、そこに慣れると俄然、物語の続きを急くほどに没入してしまう。
戦史故に、容赦のない描写もありますが、そこに生きる人々の覚悟も凄まじい。
ただ、リアリティを通し過ぎて、陰惨な物語かというとそんな事はなく、エンターテイメントとしての笑いや涙、生々しい欲望も見え隠れする。
見せ場は、戦闘シーン。
リベルギントはアップルシードのギュゲスや、サクラ大戦の霊子甲冑といったサイズ。
剣で、銃で、巨砲で戦う場面での描写は、振るわれた刀の風圧すら感じられるほどでした。

さて、猫の手も借りる?
何のこっちゃ?と疑問に思われたなら読み進めてみてください。
ああ、こりゃあ自分も借りたくなるわ!
少なくとも私は強く、そう思うのです。

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