言葉が胸を打つとは、正にこのこと。愛らしい題名の皮を被った本物の大作。

読み終えて、感嘆の溜息が出ました。
素晴らしい良作だと思います。ロボット戦記やファンタジーを求めている方の手に届いて欲しい、本当に良い作品です。

まず、ストーリーがすごくしっかりしています。面白いですし、途中で落ちたりするとなく、真っ直ぐ走り抜けてくれるので、物語によくある趣旨からの逸脱や、最初はこうだったのに…というのがありません。最初から最後まで、楽しめます。
主人公、ヒロイン、兵器リベルギント…誰をとっても濃いキャラクター。(お上手なイラストもあり、視覚的にも楽しめます!)
世界大戦の戦記物ということで、政治関連の話、情勢の話、といった細かいところまで作り込まれており、幾度もその緻密な世界観の設計に驚かされました。
話そのものを楽しく読ませてくれる一方で、風刺的な部分や、社会や個人が抱える問題について通じている部分があり、とても考えさせられました。

二つ目に、バトルシーンと、情景や心理の描写です。美しい言葉で紡がれる舞台は、驚くほど自然体で、綺麗です。読者にありありと情景を浮かばせる作者さまの技巧は、素晴らしいものでした。
バトルシーンは圧巻なので、ロボット系のバトルが好きな方は、一読して損はないと!

そして、私が一番おすすめしたいのが、キャラクター達のセリフです。
本当に素晴らしいの一言に尽きます。
地の文も素晴らしいのですが、セリフに感動させられるシーンが何度もありました。面白い言葉回しだったり、皮肉がユニークだったり、心に染みる言葉だったり。
リズム感と選ぶ言葉がいいのでしょうか? キャラクター達が発する言葉は、彼らにぴったりでいて、とても心に響く。

ぜひ、ご一読を。

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