第7話 解放条件クリアへの道!

次の日の朝──

朝食をご馳走になった後、リビングにてフレデリカと一緒に今後の方針を話し合っていた。俺はフレデリカに『一通り解放条件をクリアしてから魔王を倒しに行きたい』という事を話した。俺の話を聞き、彼女は『何を言っているのか分からない』という顔をしている。まぁ、当然だろう……

彼女はステータスの存在すら知らないのだから──俺は『何を言っているのか分からない』という顔をしているフレデリカに、魔王を倒すために…そして、仲間を守るために必要な特別な力だと説明した。


「俺はその特別な力を解放しなくちゃいけない──今の俺では魔王を倒すことも出来ず、お前さえも守れないかもしれない…だから、一通りの解放はさせてくれないか?」


フレデリカの顔は少しリンゴ色に染まり、小さく頷く──めっちゃ可愛い──俺は至って真面目なのだが、そんな事を思ってしまう。──100年に一人の美少女なんてもんじゃない100億年に一人の美少女だ──

全国のロリコンが今のフレデリカを見たら、一瞬で逝ってしまうだろう。

俺はそんな彼女を何も考えずに眺め続けていた。


「も、元康さん?」

「な…ななななんだ!?」

「また考え事ですか?」


フレデリカに言われて初めて自分が上の空になっている事に気づく、『一体俺は何を考えているんだ、今は解放条件のクリアが最優先だぞまったく…』──出会った時はただ真面目でうっとおしい奴としか思っていなかったのに

──この感覚はなんだ──?

一緒に居ると不安な気持ちがすぅっと消えていき、心が和らぐ…これが仲間という存在なのだろうか?

──フレデリカは俺の存在をどう思っているんだ?──


「なぁ、フレデリカ…お前にとって俺という存在は一体なんだ?」

「なんですかいきなり──」

「いや、互いに存在の認知を確認したくてな」

「私とって元康さんの存在が何か──ですか

昨日も言いませんでした?私とあなたは仲間です。それ以上でもそれ以下でもないですよ」


仲間──それ以上でもそれ以下でもない存在

それを聞いた俺は少し寂しい気持ちになる──

フレデリカの言っている事は正しいのにもやもやとする…『俺はフレデリカから別の言葉を言ってもらいたかったのか?』一体俺はどういう言葉を期待していたんだ?自分でもよく分からない…だが、フレデリカは仲間だと言ってくれる──それだけで充分じゃないか。


「変な質問をしてすまなかった…

早速だが特別な力を解放しにいくぞ、魔王を倒すのはその後だ」

「それはいいんですが、どこに行く予定なんですか?」

「明確な目的地は無いがとりあえず、条件を見ながら進んで行くつもりでいる」

「元康さんらしいですね」


 こうして俺たちは解放条件をクリアするため王国から離れ、旅をするのだった。


 旅に出る前にアイテムと装備を大量に買ったからきっと大丈夫だろう…本当にフレデリカさまさまだ──だが一つだけ問題があった。

『武器が日本刀以外使えない』のだ──正確には日本刀以外の武器は弾かれるといった感じだ、俺はどうやらこの雑魚武器で戦っていかなければいけないらしい。

武器屋と鍛冶屋をやってるおっちゃんにこの武器を見せると『これは珍しいもん持ってるねぇあんちゃん、この武器は強化したり素材によって派生できるもんだよ』と言っていた。

この日本刀が唯一無二の強化や進化の出来る事が分かったのが不幸中の幸いだった。


「まずは、攻撃スキル解放のからやっていくぞ」

「分かりました、最初は何をすればいいんですか?」

「モンスター10体の討伐だ」

「早速私は見学ですか…」


 フレデリカは溜息を吐く。

フレデリカはドラゴンしか戦うことができないのだから仕方ない、今はまだいいが後々何かしらの方法でフレデリカを他のモンスターとも戦えるようにしないといけないだろう、このままだといずれか二人とも死ぬ可能性もあるのだから。

そんなことも視野に入れながらモンスター10体を狩りに行く。


「いずれかお前も他のモンスターと戦えるようにしてやるから今は見学しててくれ」

「頼みましたよ」


  ゴブリンの群れを見つけた俺は群れに向かって斬り掛かる──


「やあぁぁぁ!!」

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