チート級の世界へようこそ!

A君B君

第1話 転生!

武者 元康/25歳 職業 自宅警備員(ニート)

カタカタカタカタカタッカタッッ!!(ダイピング音)

【エラー】

アカウントの異常が検出されました。今現在その異常により、ログインが出来なくなっています。再度、時間を置いてからお試しください。

尚、ご不明な点が有りましたら運営までお問い合わせください。


「あぁぁぁぁぁぁぁ!もう! あれから何時間もやってるのに直らない!」


「(チクショウ!!どうしてこうなった……)」

ピロリン♪

──ん?誰だ?こんな時に──

【拓也】

【また一緒に協力プレイしようぜ! 】

タタタ…タンッ──

【元康】

【今、俺ログイン出来なくなってる】

【拓也】

【え?マジで?チートしてるの運営にバレた?w】

タタタタッッ……

【元康】

【あ〜そうかも、とりま、今は無理だ】

【拓也】

【そっか〜じゃあ、ログイン出来るようになったら教えろよー】


「はぁ………」


深く溜息を吐く。


「(運営にチートの事バレちまったのかー?)」


「もう、運営に問い合わせるしか──」


衣嚢の中に手を突っ込みスマホを探り見る。


「おい嘘だろ?電池ねぇじゃん…あのメールで使い切ったのか、今日はついてねえな俺…」


家の電話は1階のリビングにある。


「仕方ねぇ、行くか」


椅子から立ち上がり部屋のドアを開ける。


「あっついなぁ──もう真夏なのか?」


年中ある風鈴が熱風に吹かれ綺麗な音色を響かせている。


「まだあったのか、あの風鈴」


久しぶりに出た部屋の外で懐かしさを覚えながら階段へと向かう。


「(あれから、ちゃんとした飯食ってねぇな)」


そんな事を思いながら階段を降りていると、、

あれ?頭が朦朧として、平衡感覚が変になる。

ダンッダンダンッドンッ!!と音を立てて階段から落ちる。


「イッテぇぇぇぇ!!!??ってあれ?」


俺は今、ポ○モンで言う『めのまえが まっくらに なった!』というセリフと同じような状況だった。


「どうなってんだ?周りが真っ暗で全く見えないぞ」


しばらく思案していると、奥の方に白く光る所が見えた。


「ん?なんであそこ白く光ってんだ?」


特に宛もないし、そこへ向かうことにした。

その白い光の近くまでやって来ると、、、

ドゴゴゴゴゴゴゴ………

そこに巨大な扉みたいなモノが出現する。


「これ開くのか?」


ギィィィィィィ……

両手でその扉を押す。

開けた先に居たのは──


「お待ちしておりました。武者 元康様

私は転生者の管理を任されている女神メービスです。貴方様に魔王を倒し世界を救って欲しいのです」


「ん?ちょ、ちょっと待て!魔王を倒す?世界を救う?」


「はい、貴方様にはこの世界の転生者として魔王を倒し、世界を救って欲しいのです」


女神はそう言い、その世界のモニターを見せてきた。


「この通り、この世界は魔王により、世界のバランスが崩れつつあります。ですから貴方様の救いが必要なのです」


「俺はその魔王を倒せる力があるのか?」


「ではまずはご自身でステータスをご確認ください。ステータスは意識を集中させることで確認することができます」


とりあえず、女神の言われるがまま、ステータスを確認することに意識を集中した。すると、

ビュインッッ……

目の前にステータス画面が表示された。

【武者 元康 Lv計測不可】

【ステータス】 【おまけステータス】

【体力 測定不可 】 【歌唱力 測定不可 】

【攻撃 測定不可 】 【考察力 測定不可 】

【魔力 測定不可 】 【語彙力 測定不可 】

【防御 測定不可 】 【言語力 測定不可】

【特防 測定不可 】 【学習能力 測定不可 】

【耐性】 火水風土闇聖 【追加耐性】物理 魔法

【スキル】

暑さ耐性 、 商売上手 、【未開放】

寒さ耐性 、 状態異常軽減 、【未開放】

バイオドクター 、 視力up 、 【未開放】

調合マスター 、 移動速度up 、【未開放】

気力感知 、 会心+999 、 【未開放】

ん?このステータス、変だぞ?なんだこの計測不可って、それにおまけステータス?もだ、さらに、耐性、スキルも全部何かがおかしい。


「おい女神、俺のステータスが変だぞ、なんだ測定不可って、耐性はまだいいとしてスキルも変なのばっかだ、【未開放】のスキルもあるし」


俺はこのステータスの異常さに不安を抱いていた。


「こちらも想定外の事ですので、何とも言えません」


こんなんで俺は本当に魔王を倒せるのか?


「ですが、貴方様なら行ってくれますよね?」


「これじゃあ不安で行けたもんじゃ……」


「行ってくれますよね?(威圧)」


この女神、強引にでも行かせる気だな!


「い、いやだから………」


「ありがとうございます♪行ってくださるのですね!それでは行ってらっしゃい!」


足元に魔法陣らしきものが出現し、転移が始まっていく。

女神といえば、こちらにニコニコして手を振っている。


「このクソ女神があぁぁぁぁぁ!!!」


結局不安のまま、この世界に転生されてしまった。

こうして─────

俺の魔王を倒すための冒険が始まってしまったのである。





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