第2話 チート級の世界へようこそ!
「──ッ──あのクソ女神め!いつか仕返ししてやる!…しかし─」
俺は再び意識を集中させ、ステータス画面を表示させる。
「(【計測不可】か──)」
計測不可…これが良い方なのか、悪い方なのかが分からない。もしこれが『-の方』だったら、魔王どころか、そこら辺の雑魚モンスターにさえやられるだろう。逆に『+の方』なら全ての敵を倒す事ができるだろう。そしてもう一つの可能性は計測不可はどちらでもないただ計算が出来ていないだけの場合だ。
これだと俺のステータスは全て0の可能性がある。三通りの中で、二通りともハズレ──
最悪、その二通りのどちらかだった場合死ぬ可能性があるが、俺は確かめる事にした。
「危険な賭けだが…やるしか──」
俺は手頃なモンスターを見つけるため、辺りを探索した。
「モンスターを倒すのには流石に武器は欲しいな」
アイテムの中に武器があるんじゃないか?
どうやったらアイテムを見れるか俺は思案する。そもそもアイテムを見る機能すらないかもしれないが───
「(やってみる価値はあるな)」
ステータスを確認する時、意識を集中すれば
表示された。
もしかしたら──
「(アイテムの一覧を表示しろ!)」
ビュインッッ──
アイテム管理と書かれたモノが表示される。
なるほど…意識を集中して見たい事を思えば
大抵確認できるのかもしれない──
俺は所持しているアイテムを覽る。
【武器】 日本刀
【攻撃力上昇+100】
【説明】
日本デ使ワレタ、ゴク一般的ナ刀。
………………、
ん?雑魚武器だけ?他の武器が無い?その他アイテムも……
武器の日本刀しか見つからない。
「おいおい!?嘘だろ?武器以外のアイテムが無いし、唯一の武器が日本刀一本!?」
あのクソ女神何も寄越さず転生させたな!!
どんだけド畜生なんだ!あの女神!!
「クッソ〜……こんなんで魔王に辿り着けるのか?──」
クソ女神の愚痴を言いながら、探索を再開する。
しばらくして、、、
「(ん?あれはゴブリンか、試しには丁度いいな)」
餌を探して歩くコブリンを発見した。
「(計測不可が『-』か『+』か或いは0か、確かめてやる!)」
装備もなく、武器の日本刀しかない状態のまま、攻撃姿勢に入り構える。
スゥゥゥハァァと大きく深呼吸する──
「(大丈夫だ、俺なら出来る)」
コブリンに向かって斬り込んだ──
「おりゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
バシュンッッ!!とゴブリンの血がまるで空に咲く花火の様に散る。
「(なんだ?今、俺の目の前で何が起こった?)」
コブリンは自分でも驚く程に残酷な死に方をしていた。
だが、これで確認することができた。この世界は現実なのだと言うこと。そして、ステータスの測定不可は『-』や0では無いと言うことだ。
「し、しかしコブリンとは言え、あんな殺し方が出来るなんてな。もしかして俺、強いのか?」
俺は、もう少し自分の力を試してみたいと思っていた。
バサッ…バサッ…
「(なんだ?この音は…それに何か、禍々しいものを感じるぞ…)」
「グオォォォォォォォ!!!!!!」
「ド、ドラゴンだと!?まだ全然序盤なんだが!?」
この世界、なんか変だぞ、序盤からドラゴン?
『魔王様!?序盤で俺を殺す気ですか!?』
「グオォォォォォォォ!!」
ドラゴンの咆哮が響き渡り───
ブレス攻撃をしようとしている──
「おい、待て待て待て!?転生して1日も経ってないぞ!?」
こんなのありかよ!
ブォォォォ─とブレスが迫ってくる。
うわぁぁぁぁぁ!!??
全力で逃げ、ブレスを避ける。
俺は何とか避けきる事ができ、刀をドラゴンへ向ける──
「もう、こうなったら!──やってやるよ!!」
当たり前だがゴブリンとは天と地の差だ。
敵のステータスを確認しなくては……でも、どうやって……?──ワンチャン──
敵のステータスも意識すれば、分かるんじゃないか?──
ビュインッッ──
ビンゴ!!やっぱり敵のステータスも意識すれば分かるぞ!!
【ダークドラゴン Lv二億八千万】
【ステータス】
【体力 九億五千万 】
【攻撃 ニ億 】
【魔力 五億三千万】
【防御 二億七千万】
【特防 十億】
【耐性】 闇 【追加耐性】 魔法
「なんだよ…億って…」
チート級じゃねぇか!!
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