第3話 フレデリカ只今参上!

俺は目の前のドラゴンのステータスに驚愕していた。


「全ステータスが億だって!?こんなヤツに俺は勝てるのか!?」


『あ、これ魔王様ガチだわ……』

俺の武器は刀だ、攻撃としては物理なはずだ。

あいつの『特防』十億、耐性魔法には対抗出来るだろうが、あの異常な体力を減らせるのか?


『この刀で多少のダメージは与えられるんじゃないか?』


俺はドラゴンに向けて刀を構える。


「一か八かやってやる!」


「グオォォォォォ!」


「頼むから…」

ドラゴンのブレス攻撃に突っ込んでいく。

ブレスに向かって刀を振るいながら──


「何とかなってくれぇぇぇぇぇ!!!」


ドカーーーーーーーーン!!!!


「大丈夫ですかー!」


豪快な音と共に現れドラゴンから救ってくれたのは、バカデカい大剣を持った勇者?…みたいな格好をした女の子だ。ん?女の子?い、いや…女の子がなんなバカデカい大剣を……


「お怪我は無いですか?」


おっふ…、

そこには全国のロリコンを一瞬で気絶させるであろう容貌があった。

こんなロリがあんなバカデカい大剣を使ってるのか!?一体どんなステータスを───

【フレデリカ Lv250】

【体力 1億2000万】

【攻撃 6000万 】

【魔力 800万】

【防御 1000万 】

【特防 1000万】

【耐性】 無

【スキル】

馬鹿力

あのドラゴンより数値は低いが決して普通とは言えないステータスだ。だが、あのドラゴンより遥かに数値が劣っているはずなのに一瞬でドラゴンを倒せたのは何故だ?そして、俺はある事に気づく…

あのドラゴンのステータスは漢字で数値が表示されていたのに対して、人のステータスは数字で数値が表示されている。

『モンスターと人とじゃ、ステータス表示に違いがあるのか。何かこの仕様に意味があるのか?』

そんなことを考えていると、


「お怪我は無いですか!!」


「うゎぁ!?」


「質問に応えてください!」


「怪我は無い!大丈夫だ!」


あまりに強く言うもんだから少しキレ気味に応えた。


「何怒ってるんですか、私はあなたを助けたんですよ!怒るよりお礼を言うべきじゃないですか?マッタクッ──」


俺より年下のくせして偉そうに──


「俺は助けてなんて言ってないぞ!」


「あぁもう!!往生際の悪い人ですね!私はあなたを救ったんですよ!?お礼くらいしてくれてもいいじゃないですか!?」


「フンだ!」


なんだかよく分からんが

可愛い顔されて言われると余計ムカつく。


「ハァ…もう、いいです──

ここは危険なので、私についてきてください。この先のカロッツェリア王国へ向かいます。装備も無いようですし、このまま行けば、死んでしまいますよ」


俺は思案した。

確かにこのまま行くのは危険だ。装備なんかも欲しいし、そのカロッツェなんちゃら王国に寄ってみるのもいいのかもしれない──


「あぁいいだろう、そのカロッツェなんちゃら王国とかいう所へ案内しろ!」


「本当に態度の悪い人ですね!それが人に頼む態度ですか!」


「ついてこいと頼んだのはそっちだろ?」


「あ〜はいはい、そうですねさっさと行きますよ!」


俺とフレデリカはカロッツェなんちゃら王国を目指して歩き始めた。



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