第10話
「なんだよ
よく分からんが、やるだけやってみるか。
制限されていたらたとえ俺のステータスを付与していたとしてもフレデリカがあと何回耐えられるか分からない。
「死ヲ覚悟スルガイイ」
再び魔獣が攻撃を溜める。
「神成魔獣か何だか知らねぇけどあまり人間様をなめるなよ!」
俺は攻撃スキルに賭けて発動させる。
「
瞬間――もう既に魔獣へと斬りかかっていた。光速で魔獣を連続攻撃し、斬撃の残像もが魔獣を攻撃する。
凄いな、このスキル……全く隙がなく攻撃できるのか。
「―――!!」
俺の攻撃は魔獣が最後の断末魔を叫ぶ前に全てを切り裂いていた。
「悪いな、特に理由はないがヤバそうだったから倒させてもらったよ」
――なんて言っているが、結構危険な状況だった。もしこのスキルが解放されなかったらと思うとゾッとするぜ。
よし、とりあえず魔獣は倒せたしフレデリカを助けるとするか。
「フレデリカ――魔獣を倒せたぞ」
俺は声をかけながらフレデリカへと歩み寄っていく。
「倒せたようでよかったです……くはっ!」
フレデリカは口から血を吐いた。
「大丈夫か! フレデリカ!」
さっき回復ポーション飲んでいたはずなのになんでダメージが……
フレデリカの頭上に状態異常という表記が浮かんでいる。
なるほど……そういうことか、
だが俺は回復スキルなんぞ持ってないし、状態異常回復ポーションなんて準備しなかった。
「フレデリカ……死ぬなよ!」
俺はフレデリカを抱え、王国へとダッシュで戻る。
しかし、道中で邪魔がはいってしまった。
「んだよ、ここ!」
俺たちは見覚えのない場所にいたのだ。
「ふふふふふふふ………」
目前には不気味に笑う妖精がいた。
「俺たちをここにつれてきたのはお前か! 早く俺たちを元の場所へ帰せ!」
そう言うと精霊はこんな事を言ってきた。
「その小娘助けてあげるよ」
なんだかよく分からないが助けるというなら助けてもらうか。
少しでも怪しい動きをしたら拘束してやる。
「どういう意図かは知らんが、助けるというなら助けてくれ」
精霊はフレデリカへと近づき、身体の中へ入っていった。
すると――フレデリカの身体の傷がどんどん癒えていった。
「ここは――どこですか?」
「ほ、本当に治ったのか? お前……」
「そうみたいですね、なんか身体が変な感じしますけど大丈夫です」
身体の変な感じは多分アイツが原因だろう。
まぁ、しばらくフレデリカの様子を見るか。
「なんかあったら言えよ」
「わ、分かりました……」
さて、この場所からどうやって抜け出しましょうかね……
あの精霊フレデリカの身体に入ってから出てこないんだがどうすればいいだろうか。
俺たちは辺りの探索を始め、どうにかこの場所から出る方法を探した。
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