第三話 呪いの存在

そういえば、圭太昨日行ったんだっけか。学校へ行く道中、ふとそんなことを思い出す。 母親の顔が闇に包まれたように見えてから一週間。母親の顔から闇が消えたのか、慣れてしまったのかはわからないが、ここニ、三日は違和感を感じることはない。


キーンコーンカーンコーン

授業が終わる。呪いなんてないと言いつつも、少し気になっていた俺は、圭太に話しかけた。

「なあ、で、どうだったんだよ。ホーム、行

ったんだろ?」

「ああ…」

「どうしたんだよ、教えろよ」

「はあ…」

圭太、どうしたんだろうか。返事がいつもの圭太じゃない。それに、今気づいたけど、この前の母親と同じ暗い雰囲気を感じる。やっぱ一緒に行ってやればよかったか。この暗い雰囲気の原因はなんだ?


やっぱり呪いなんだろうか。呪いは存在するのだろうか。

でも、だとしたら母親は?ホームなんか行ったんだろうか。帰ったら聞いてみよう。俺はそう思い、とりあえず今は圭太をそっとしておくことにした。

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