13番線のホームで

みかんの木

プロローグ

ガタンゴトン、ガタンゴトン…

近づいてくる電車の音。今日も一日、疲れたなあ、なんてふと思う。上司にも部下にも気を使って。一流企業だから、人手が足りないなんてことはないし、少しミスをしたり、上司の気に食わないことをしただけでクビになった人を、たくさん見てきた。だから変に気を張ってしまって、疲れちゃうんだよな〜。帰ったら、風呂に入って、ゆっくり寝よっと。


タッタッタッタッタ


こんな夜にホームを走ってる人がいる。朝ならたくさんいるけど、夜に走ってどうしたんだろ。あ、夜勤とかかな。


タッタッタッタッタ


なんでだろ、よく聞くとやけに不気味なリズムに思えてくる。


タッタッタッタッタタッタッタッタッタタッタッタッタッタタッタッタッタッタ


バンッ

ーーーえ…??


ガタンゴトンガタンゴトン


私の足が、地面から離れていく。天地が逆転して、私の足は再び地面に着地する。

ーーー何?びっくりした。


周りから、誰かが叫ぶ声が聞こえた。それが私の記憶の最後だ。



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