第四話 衝撃の事実
「最近電車とか乗ったりした?」
俺は、家に帰って早速母親に尋ねた。すると母親は、
「そうね、乗ったわ。」
と言った。しかしその次の瞬間、まるで何か重大な事実に気づいたかのように突然青ざめて、
「いや、いや、嫌!!!」
と大声で泣き出した。母親が泣くところなんて、ましてや取り乱して泣くところなんて見たことがなかった俺は、思わず
「は?」
と呟いた。
その後しばらくすると、母親は落ち着きを取り戻した。そして、
「ちょっと駅に行ってくるね。元気でね。」
といい、今まで見たことないような真っ直ぐな眼差しで俺を見た。俺は少しうろたえながらも、
「夕飯までには帰ってくるよね?」
と言った。母親は黙って
それから何分くらい経っただろうか。母親から電話がかかってきた。
「もしもし、圭太くんかな?お母さんの落とした携帯から電話してます。関係は息子さんで合ってますか?さっき、お母さんが走ってきた電車に接触して、今警察が駅で緊急救命措置を行っています。意味がわからないかもしれないけど、とりあえずなるべく早く来てもらっても良いですか?」
これはきっと悪い夢だ。覚めるなら早く覚めてくれ。縁起が悪い。夢だよな、夢だと言って。誰か俺に夢だと言ってくれ…
俺は気温3度の中、コートも着ずに家を飛び出した。つく頃には涙は枯れていた。
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