第八話 本当の怖さ

それから一年。

俺はまだ生きていた。そもそも呪いの効力がいつまで続くのかって聞いてなかったから、もうとっくに効力なんて切れているかもしれない。


そんなある日、俺はホームにいってみたくなった。怖いもの見たさに、ってやつだ。もう呪いには感染済みだし別に行ってもどうにもならないだろう。俺は自転車を飛ばしてホームに行った。ゆっくりホームを歩いてみる。


ーーーん?


明らかに様子のおかしい人がいた。ホームの縁に立っていて、顔は青ざめている。

そいつは圭太だった。

その時、俺の脳内にあのときの声が聞こえた。

『おめでとう、お前は一年呪いに引っかからずに生き延びたな。そこでだ。お前はまだ未来ある学生だからな、呪いが一生つきまとうなんて嫌だろうと思ってある選択を与える。やっさしいだろ?お前は今からアイツを突き落とす。できなかったらお前が死ぬ。さあ、どっちを選ぶ?』

急すぎて、俺は一瞬呼吸を忘れた。圭太を殺してはいけない。それはわかっているのに、何故か俺の口は勝手に動いた。

「わかった。あいつを突き落とせばいいんだろ、そしたら呪いを解いてくれるんだよな。」ーーー

と。

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