これは推理小説なのかもしれない

67話まで読了時点での感想。
まず、会話以外の文章の書き方が「ですます調」なあたりで誰かへの語りなのか主人公の心の声なのかの物語の視点を考えさせられる。

「ですます調」なので全てが終わったその後に誰かに昔話として話しているのかもしれないし、読者へ語りかけているのかもしれない。

ただ仮に「ですます調」が主人公の心の声だった場合、会話では少し砕けた表現になることが多々ある。
心の中の声よりもフレンドリーな会話を心掛けようとする主人公に対して他者に対して分かりにくい心の壁を作る闇を感じる。

ほんの少しの関わりしかないのに複数の侍女や女子高生から猛烈なアプローチを受け裏があるかもと本能的に警戒しているのかもしれない。

転移先の文明レベルについても契約書が存在することから紙、インク、インクを保存できるレベルの容器などを作成する技術がある程度備わっていることがわかる。
それにも拘わらずスプーンが非常に高価な扱いだったりすることなどから発展の程度にちぐはぐな面が多くみられる。
意図して特定分野の発展を妨げるように現地世界の住民が特定組織に思想誘導されている可能性を感じる。

色々と問題を提起してくれる作品だけど、更に読んでいけば勢いを楽しめばよい作品なのかもしれない。

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