青のストライプは揺れる。

>他人の事情は見えないから、自分の痛みは強いように思う。
>そういう独りよがりは嫌いだったはずだ。
>もののわかったような顔をしながら、いちばん偏見に満ちていたのはわたしじゃないか。

この文章が一番すき。

日向にいるような子でも、陽射しが眩しくて他人には見えないことがあるのかも。
明るい場所の影は濃いから。

図書室の書棚に隠されたノート。知らない相手との「しりとり」。
交互に綴られる言葉は、やがて単語ではなく文章になっていく。

誰が書いているのだろう。
内気な主人公は詮索をはじめる。でも相手はそれを嫌う。
でも、ある日。主人公は気づいてしまう……。

ノートに書き込まれる文章もまた美しい。
そして思春期の揺れを感じる、まさに青色が相応しい魅力的な作品だ。

その他のおすすめレビュー

如月ふあさんの他のおすすめレビュー681