青のストライプは揺れる。
- ★★★ Excellent!!!
>他人の事情は見えないから、自分の痛みは強いように思う。
>そういう独りよがりは嫌いだったはずだ。
>もののわかったような顔をしながら、いちばん偏見に満ちていたのはわたしじゃないか。
この文章が一番すき。
日向にいるような子でも、陽射しが眩しくて他人には見えないことがあるのかも。
明るい場所の影は濃いから。
図書室の書棚に隠されたノート。知らない相手との「しりとり」。
交互に綴られる言葉は、やがて単語ではなく文章になっていく。
誰が書いているのだろう。
内気な主人公は詮索をはじめる。でも相手はそれを嫌う。
でも、ある日。主人公は気づいてしまう……。
ノートに書き込まれる文章もまた美しい。
そして思春期の揺れを感じる、まさに青色が相応しい魅力的な作品だ。