濃密な一万字

はたして、自分はこのような作品をいつかは書けるのだろうか?

まずはそんなことを考えました。
静かな足取りで、けれどもあたりの視線を奪い去る人のような文章と物語。
この作品をあらわすなら、そんなふうに言ってしまいそうになります。

主人公へのフォーカスは明確で、イベントは物語の進展を必要以上に主張していないように感じました。
つまりは、どこをとってもわざとらしさを感じさせない造りをしているということです。

また、女生徒の心境や状況は端的に言い表されていて無駄な言葉はありません。

そして何より、しりとりの文句がどれも美しいです。
この部分だけを読み進めていくだけでも面白いのではないでしょうか?

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