コトノハ・ストライプ

作者 夏野けい

相手の顔を知らないからこそ、始まる友情もある

  • ★★★ Excellent!!!

まず最初に、ビューワー設定を縦組みにしてください。
そうして読み始めると、主人公たちのやっているしりとりがより楽しめます。

という前置きはここまでにして……。
本作の中心となっているのはしりとりです。ただし単語のみで行う一般的なものとは違い、少し飾って長めの言葉でのやりとりとなっています。(理由は作中にて)

ノートで交換日記のようにしりとりをしているのは主人公と顔も知らない子の二人なのですが、面白いことにどちらが書いた言葉なのか分かるのですよね。主人公から見て相手がどういう言葉を使うとか、主人公はどういう性格かとか、そういうのがしっかりと、けれどさり気なく表現されているので、そんなに考えなくても「これはこの子かな?」と明確に書かれる前でも分かるのです。

それくらい登場人物の性格がしっかりと描かれているので、お互いの顔も知らない二人がどうやって出会うのか読んでいてとても気になります。

教室では人とあまりうまく付き合えない主人公。
相手がどんな人物かによっては、折角見つけた楽しみが楽しくなくなってしまうのではないか。相手が誰か知らないままの方がいいのではないか。
そんな心配を抱きながら読んだ最後の場面。流石にはっきりとは書けないのですが、それまでの主人公と相手の関係性を考えると、なんかこう……とても良いのです。何がどう良いのかはネタバレになってしまうので控えますが、とりあえず私は最後まで読んだ時に「あ、とても良い……」となりました。(語彙がなくて……)

読んだ後に晴れやかな気持ちになる、青春の1ページ。ぜひ読んでみてください。

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