ラジオ回顧録

あと五年もするとラジオ番組は一気に(それも驚くほど大量に)減るかもしれないという話、聞いたことあるでしょうか。
もしかしたらAM曲は災害報道に特化したNHKだけになるかも(?)と。
時代の流れかもしれません。
それはテレビにおいても同じでしょう。ラジオに比べて映像があるテレビがコレですから、時代の潮流はネットに雪崩れ込んでいるのかもしれません。

ただどうでしょう。YouTubeではラジオのように「作業用」「ながら聞き」のチャンネルがわりと人気です。
じっとディスプレイを見ていなくてもいいチャンネル。まさにラジオです。

車内でラジオを聞くことも、まだ現役ではないかな。
ネットではラジコもありますね。各地を引っ越ししてきた人でしたら、あの地域のあの番組をまた聞きたいと思うかもしれません。有料ですが(笑)

さて前振りが長くなりましたが、このエッセイ集は青春時代も壮年時代もラジオとともに生きて来た作者のラジオ回顧録です。
知っている番組も知らなかった番組もありました。全国放送の番組は「あーそれ、知ってる知ってる!」と同じ時間を共有した同志のような嬉しさをもって読ませて頂きました。

音だけで聞かせる……トリップさせる番組の数々。パーソナリティの話力、音楽チョイスの良さ、ドラマ形式の構成力と臨場感。
ラジオは別世界に連れて行ってくれる魔法であり、聞いていた当時の風景が蘇るタイムカプセル。

このエッセイはラジオの魅力を余すことなく伝えてくれます。
作者が生きた時代にタイムマシンのように連れて行ってくれるでしょう。

スマホでラジコを聞きますか?
防災用に仕舞い込んでいる携帯ラジオを取り出しますか? 
スイッチを入れ、チューナーを合わせる。
それだけで簡単に違う世界に連れて行ってくれるラジオ。

映像がない分、無限に想像力を膨らませてみるもよし。
お気に入りの番組に葉書を送って、読み上げられる興奮を知るもよし。
このエッセイは、ラジオの魅力に引き込まれるちょっとアブナイ扉です^^