あせくしある

作者 真野てん

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★★★ Excellent!!!

「普通」とは、いろんな人を足して人数で割った平均値……だと私は思っています。

けれど全てが均一に平均値の人なんていないのでは?
皆少しずつ平均値からズレているはず。

ズレには大小あるかもしれないけれど、人は皆それぞれ違うのです。

平均値から周りよりも大きく離れていることで、苦しんでいる人達は多いでしょう。私も悩んだ一人です。

苦しまなくていいんだよ、というメッセージがとても心にしみました。

苦しまなくていい。私は私。あなたはあなた。
苦しんでいる人達だけでなく、漠然と「普通」という言葉に囚われている方々にも、是非この物語を読んでほしいです。

★★★ Excellent!!!

相知満天下 あいしるはてんがにみつるも
知心能幾人 こころをしるはよくいくにんならん

『意』知り合いはたくさんできても、心からわかり合える相手というのは
   そうたくさんいるものではない。という意の禅語。


人は分かりあえると私たちは思いがちだ。
この物語の登場人物のように、思春期であるならなおさら。
そして思いに反して裏切られ、世の中には自分とはまるで考えの違う人が大勢いると知るのもこの頃かもしれない。

心の底から分かり合える人と出会う。それはもう奇跡だろう。
他人はその出会いをすぐに恋愛や結婚に結び付ける。運命の人とは結婚して子供を産み育て、社会のシステムを回す歯車となれと。

ばぁっかじゃねーの! 私はあんたらの道具じゃねえ! 思想を押し付けんなっ!
「普通」「普通」とあんたらの言う事々に、身を縮めてはめ込まれなければならないってんの!?
それは私の幸福に繋がりますか? 誰がその基準を作ったのですか?

……とまあ、もうその手の押し付けに悩むこともない年代になってから、この物語の二人の気持ちがよく分かるわけです。ふふ(笑)

多様性だの個性重視だの耳に優しい言葉はよく聞くようになった。
ただ、内実は私が思春期だった頃となんら変わっていない。
なにかの拍子で「普通ではない」レッテルを貼られた途端に、その者は攻撃され集団から追い出され、人格を否定される。
国家体制の違う国では、それは危険思想とされる。もう未来はない。

利害関係の絡まない友人を作れるのは、学生の間だけかもしれない。
大人になると右を向いても左を見ても、利害関係にがんじがらめだ。
そして自分の「本心」など、これっぽっちも呟けない。
それが当たり前で、それで自分の身を守っているのだから仕方のない話だ。
うっかり本音などこぼして社会から干されるのはゴメンだろう。

この物語の主人公はクラスメイトの話す… 続きを読む