大きな力を得るかわりに、大切なものを失う。とても、大切なものを。

イケメンで、庇護欲をそそられ、ちょっと抜けたところにもギャップを感じて母性本能をくすぐられる。そんな、完璧とも言える主人公エージ。
いくら小説でも、そんなやついるかって? 本人がそう言っているのだから間違いないでしょう。周りの人は、ブサイク、キモい、アホなどと言っていますが、それはきっと、嫉妬かツンデレです。
そんな、自称完璧イケメンなエージですが、剣技や魔法に関してはさっぱりでした。しかし、伝説の剣を手に入れ、女神の加護を受けた結果、チートとも言える力を手にして、今では勇者と呼ばれる存在に。一部の人からは、見た目がアレすぎて、全然勇者に見えないなどとも言われていますが、一見強そうに見えなくても実は最強というのはお約束なので、ある意味誰よりも勇者にふさわしいとも言えます。

しかし、こんな完璧な人生を送る彼にも、一つだけ悩みがありました。先に挙げたチート能力。しかしその代償として、力を使う度、彼は大切なものを失っていくのです。
その大切なものとは……いえ、ネタバレになるといけないので、ここではそれは伏せておきましょう。伏せたところでわかっちゃうかもしれませんが。
とにかく、もしもそれが我が身に起こったらと考えると泣けてきます。

そんなわけで、もう力を使わないと決めたエージですが、運命は、決して勇者を放ってはおきません。
エルフの美人姉妹に頼られ、「こんなのが勇者?」とバカにされ、時にすっごい言葉で罵られながら、力を与えてくれた、色々ヤバい女神を引き連れ、再び冒険へと身を投じることに。

果たして全てが終わった時、彼に希望は残っているのか。色んな意味で痛すぎる、自称完璧勇者の戦いが始まります。

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