今まで生きてきて、初めての感情をこのハゲ……
いやいや、主人公の勇者に抱きました。
自己肯定力をこじらした主人公。
絶対に友達になりたくないし嫌なんだけど、憎めなくて可愛い所もあって好きという、なんか不思議な感情を抱きました。
主人公に何かあったら「ざまぁwwww」なんて、腹黒くアナタも思ってしまうかもしれません。
そしてアナタもコメントで、作者にツッコミをいれたくなると思います。
物語もですが、街の名前、人物、サブタイトル…
とにかくツッコミどころ満載で、声を出して笑ってしまいます。
勇者の力を使うには、自分が1番大変にしているものを女神に捧げなくてはなりません。
1番大切なものを捧げ世界を救った勇者ハーゲ…
いやいや勇者エージは、大切なものを失い心を痛め二度と力を使わないとする。
だが、絶世の美女駄女神インテルフィと助けを求めにきた姉妹によってまたしても危機が…。
あなたは、世界を救うために1番大切なものを捧げられますか?
どーしようもない勇者ですが…
どんな俺強えーチートイケメンハーレム勇者より、誰しもが輝かしい勇者だと思うはず。
かつて魔王を倒した、最高に格好よくイケてる男……と思い込んでいる、勇者エージ。
まあ、魔王を倒した事があるのは本当なのですけどね。全然格好よくないのですよ。だってこの勇者、ハゲてますもの(笑)
なのにナルシストな彼は自分が格好良いと思い込み、周りの冷たい視線を一身に集めてくれています。
しかし、痩せても枯れてもハゲても勇者。助けを求める人あらば、存分に力を振る……いません!
だって彼が力を使うと、代償として大切なもの……残り少ない髪がなくなっちゃうのですから!
自分は今まで、力を得る代わりに命が削られたり、皆の記憶から自分の存在が消えていくなんていう悲しい代償があるお話をいくつも見てきました。
けどこれは、ある意味それら以上に悲しい代償。はたしてエージは力を使うのか、それとも髪が惜しいから使わないのか?
頭だけじゃなく人間として輝ける日が、来たらいいですね。
最後に。皆さんもうお気づきかもしれませんけど、一応補足しておきます。
シリアスさなど皆無の、ギャグ小説です!
イケメンで、庇護欲をそそられ、ちょっと抜けたところにもギャップを感じて母性本能をくすぐられる。そんな、完璧とも言える主人公エージ。
いくら小説でも、そんなやついるかって? 本人がそう言っているのだから間違いないでしょう。周りの人は、ブサイク、キモい、アホなどと言っていますが、それはきっと、嫉妬かツンデレです。
そんな、自称完璧イケメンなエージですが、剣技や魔法に関してはさっぱりでした。しかし、伝説の剣を手に入れ、女神の加護を受けた結果、チートとも言える力を手にして、今では勇者と呼ばれる存在に。一部の人からは、見た目がアレすぎて、全然勇者に見えないなどとも言われていますが、一見強そうに見えなくても実は最強というのはお約束なので、ある意味誰よりも勇者にふさわしいとも言えます。
しかし、こんな完璧な人生を送る彼にも、一つだけ悩みがありました。先に挙げたチート能力。しかしその代償として、力を使う度、彼は大切なものを失っていくのです。
その大切なものとは……いえ、ネタバレになるといけないので、ここではそれは伏せておきましょう。伏せたところでわかっちゃうかもしれませんが。
とにかく、もしもそれが我が身に起こったらと考えると泣けてきます。
そんなわけで、もう力を使わないと決めたエージですが、運命は、決して勇者を放ってはおきません。
エルフの美人姉妹に頼られ、「こんなのが勇者?」とバカにされ、時にすっごい言葉で罵られながら、力を与えてくれた、色々ヤバい女神を引き連れ、再び冒険へと身を投じることに。
果たして全てが終わった時、彼に希望は残っているのか。色んな意味で痛すぎる、自称完璧勇者の戦いが始まります。
長文タイトル、女神の加護を受けた勇者、チートにハーレムと、流行りの要素をふんだんに盛り込んだ本作。
しかし題名にしてもキャッチコピーにしても、隅から隅まで見事にハゲ関連のワードが散りばめられており、一見しただけで絶対死ぬほど笑えるやつだと分かります。
故に。
電車の中など人のいる場所では絶対に読まないでください。危険です。
女神インテルフィから授かったチート能力を発動させるたび、大切なもの(=頭髪)を失う勇者エージ。
彼はエルフの美人姉妹の頼みで、行方不明となったリラ団長(絶世の美女との噂)の足取りを追うことになります。
しかし、出会う人出会う人この上ない特濃キャラ。
そして行く先々で勃発するトンデモ事件。
もう、何度腹筋が捩れて攣ったか分かりません。
数々の困難(?)を乗り越え、一行はようやくリラ団長と対面するのですが。
いやはや、まさか、こんなことがあろうとはね。
本作最大のトラップがここにありました。呼吸困難で死ぬかと思ったわマジで。
どれほど落ち込んでいる時であっても、読めばたちまち楽しい気分になる、ハッピー起爆剤みたいな作品です。
読む時はくれぐれも周囲にご注意を!笑