心を失った者に告げる”私の為に生きてくれ―”、この切なく行き場のない心

 この家の当主には、代々力の有る者が継いで行く。
 故にこの者はつけ狙われ、害を受ける。

 朔弥は伊集院家の守り人。

 或る時、時の当主、葵に害を成そうとする者が現れ、
守り人朔弥が、その身を盾に守った。

 朔弥の心の臓は傷つき、そのままであればこの世を後にするはずだった。
 しかし葵は、幼き頃から時を共にした彼を逝かせたくなかった。

 西洋の文化から輸入されたロボーという小さな機械を埋め込み、
朔弥を現世に繋ぎ止めた。

 彼は、感情を持たぬ人形とり、葵は、朔弥に追憶の影を追い、
悔悟に苦しみ、己が行いに葛藤するのだった。


 生きているとは何か、心とは何か、考えさせられる物語。
 是非、じっくりと読んで下さい。

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