心を失った者に告げる”私の為に生きてくれ―”、この切なく行き場のない心
- ★★★ Excellent!!!
この家の当主には、代々力の有る者が継いで行く。
故にこの者はつけ狙われ、害を受ける。
朔弥は伊集院家の守り人。
或る時、時の当主、葵に害を成そうとする者が現れ、
守り人朔弥が、その身を盾に守った。
朔弥の心の臓は傷つき、そのままであればこの世を後にするはずだった。
しかし葵は、幼き頃から時を共にした彼を逝かせたくなかった。
西洋の文化から輸入されたロボーという小さな機械を埋め込み、
朔弥を現世に繋ぎ止めた。
彼は、感情を持たぬ人形とり、葵は、朔弥に追憶の影を追い、
悔悟に苦しみ、己が行いに葛藤するのだった。
生きているとは何か、心とは何か、考えさせられる物語。
是非、じっくりと読んで下さい。