倒れたグラスから、弱い心の叫びが零れ落ちたような詩集でした。同時に零れたのは、嫉妬、憎悪、羨望、後悔。そして最後に零れたのが希望。そこまでぶちまけて、後の残りはグラスを元通りにすることで『零れずに』すんでいます。誰しもナーバスなときやローテンションのとき、ネガティブの渦から抜け出せない時間は経験すると思います。そこで彼なら、彼女なら、あいつなら、立ち直るんだろうな。でも自分には無理そうだ……なんて思うことも。
この文章群には少しの、ほんの僅かな希望と渇望が見え隠れしていて、育て直せれば良いな、一緒に頑張ってあげたいなと感じました。