小説を書く時、アイデアを書き出して、プロットを組んで、設定をつくり、世界観を考えて、さてと執筆となると、もう全部書きたくなりますよね?
この少年はこうなんだよとか、この女性は本当はこうなんだよとか、この世界観はこうでねとか……。
もうそれこそ全部書きたくなる。
陽澄すずめさんの『嵐を予感したあの日、僕は此岸の人魚と出逢った』を読ませて頂いて黒井が感じたのは、全て書かずに読者の想像に委ねるが故の奥行きです。
たぶん読んだ人の数だけ解釈があると思う。それは感想やレビューを見れば一目瞭然です。みんなが様々な解釈をしているのがわかります。
これ、すごいし、強いな。
ついつい全部書いてしまう、黒井みたいな貧乏性なあなたは絶対に読んだ方がいい。
おすすめです(●´ω`●)
作品にフォローいただいたご縁でこの物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。
高校生の少年が、犬の散歩の途中に消波ブロックの上に座り込む、ずぶ濡れの美人と出逢うところから物語が始まります。
「明日も来る?」
そう聞かれて思わず返事をしてしまった少年だが、なんと次の日は嵐がやってきていた。こんな荒れ模様の日に居るわけがない。そんな思いもあったが、少年は意を決して外に出ます。そこで待っていたのは……続きはもちろん本編で。
情景、やり取り、その他の描写がまるで流れるように書いてあり、スラスラと読めてしまいました。
ちょっと不思議で、でもどこか怖くて、それでも目が離せない短編。
他の皆さまも是非読んでみてください。